まもなく5歳になる上の子が、思い通りにならないことがあり、怒るときやイライラの感情になった時、
泣きわめくか、怒鳴るか、じっと睨みつけてだんまりするようになった。
親として「どうしたの?」と聞く。
それでも大声を上げるか、にらみつけるかを続けるときに、必ずいうことがある。
「怒ったり泣いたり、自分の感情を表すことは大事なことだけど」
「ちゃんと説明してくれなきゃ、相手はわからないんだよ」
「怒ったり泣いたりしてて、どうしたの?って聞いてきかれたときに、
黙ってると、心の中は誰も見えないし、何にも伝わらないんだよ」
「泣いても怒っても、自分の言葉で話さないと、何もわからないの。
あなただって、今お母さんがなんて考えているか見えないでしょ?おんなじだよ」
「ちゃんとお話ししてくれなきゃ、じゃあほっとこうかなってなるだけだよ」
「怒っても、怖いって思うだけで、お母さんはお話し聞いてあげたいなって思えないよ。
普通に自分が思ってることを話してみて。」
こんなことを繰り返し伝えている。
自分の気持ちを伝えることの大切さをちゃんと理解できたのは
私の場合大人になってからだった。
この子の祖父母、つまり私の両親は、話し合いができない人たちだった。
どちらかががつんと何かいい、一言言い返すか無視、そこから怒って立ち去り、その後冷戦に突入。
家の中は気まずい空気でひんやりと冷え込む。
それから徐々にその状態に慣れて、いつの間にかうやむやになり、また喧嘩する。
どちらかがふてくされてその場を去るのだから、話し合いどころか怒鳴りあいもないし、言い合うことがまずない。
私が大人になり、ある人と喧嘩をするようになったとき、
「いつも意見がぶつかったときに話し合いができないね。目の前から逃げるから話し合いができない」
と冷静に言われた。
そこで、自分の両親がそうだった、と気づいた。
自然と、私もそういう振る舞いになってしまっていたのだ。
この指摘があってから、私自身、幼少時~学生という過程で、喧嘩らしい喧嘩をしたことがないことも思い起こされた。
友達や誰かと喧嘩した時も、黙ってしまうだけで自分の思いを伝えられなかったし、
相手がどうして怒っているかわからないでつらい思いをしたこともあった。
この子にそういう思いをしてほしくないなと思う。
怒る気持ちは誰でもあるけど、相手の話を聞くことや、自分の意見を伝えることを大切にしてほしい。
発言するときは怒りに任せ、冷静に淡々と言えるようになってほしい。
私自身もまだまだその辺は修行中の身だけどね!
小さいうちから自然とそういう力を磨いていくのもいいかなと思うのだ。
何度も同じことを言って、辛抱強く教えて、鍛えていきたい。