今、朝ドラの「ちむどんどん」を見ています。

沖縄出身の女の子が主人公。
登場人物の中で、主人公は4人きょうだいの3番目で、
兄、姉、主人公、妹、という構成です。

兄は「ビックビジネスをする」とかいって借金を重ね、
結果人に騙されたり、まっとうに働いても女性につぎ込んだりします笑

姉は、小学校の先生。別の小学校で同じく教師をしている男性と結婚して
その男性が「本家の長男」で、嫁である妻に、家に入るように祖父から言われ
でも反発して、産後復帰して教師やってます。

妹は、体が弱く、歌手になりたいんだけどオーディション当日に熱を出して倒れたり
会社に就職しても休みがちで退職を余儀なくされたり
今度は民謡歌手になるって、頑張ってます。

その4人の中で、教師のお姉さんのエピソードから思い出した話です。

お姉さんは「良子」。

真面目でちょっと気が強い、しっかりものでやさしいお姉さんです。

ある日、授業中にきょろきょろしている男の子の「誠」を注意します。

良子「誠!やる気がないなら廊下に立っていなさい!」

昭和50年代後半ころの舞台設定で、
ドラえもんののび太や、サザエさんのカツオくんがよく言われているセリフ。

現代だったら、どんな子も授業を受ける権利があることと
体罰になることから、廊下に立たせるなんてありえませんね。

誠は、不服そうにしながら廊下へと向かいました。

そして、翌日から学校に来なくなります。
学校に来なくなったので、良子は、誠とその母親を学校に呼び
3者面談をします。

理由を言って、と詰め寄るけど、一言も言葉を発しない誠。
母親をおいて帰ってしまいます。

母親は、「学校には来させますから」と良子にいいました。

学校には来るけど、良子と言葉も交わさない、目も合わせない誠。

誠に良子は「先生の言うことは聞かないとダメ!」と叱ったりもします。

ドラマのこのシーンを一緒に見ていたうちの子が、
「誠、ひどい~」とつぶやきました。

きょろきょろしていた誠を見たときに、私は
「何か探してるのかな?」って思いました。
でも良子は「やる気がないなら」と即怒りました。

私は子供に、
「そうかな?誠にも理由があると思うよ。
 お母さんも、担任の先生をずっと無視したことがある」
と言ったら、びっくりしていました。

子供もですが、私も、小学生の時は「優等生タイプ」。
それが偉いとかではなく、
優等生、のイメージの話で、
先生に怒られることに慣れていないし、
先生の言うことをただ素直に聞くほうだったので
無視する、なんて対極のことをする想像がつかなかったのでしょう。

私の無視した理由は・・・。

私はその日も真面目に、掃除の時間、一生懸命ほうきを動かしていました。
掃除の時間に、三角巾を頭につけて取り組むことが
私の小学校では必須でした。

もちろん忘れいていなかったし、ちゃんと身に着けて、
床を一心不乱に掃いていました。

教室床の塵を最後に一か所にまとめ、
チリトリに乗せようとしているそのとき、

下を向いていて、結び目が緩んだ三角巾がはらりと落ちました。
チリトリに集中していたため、三角巾を結びなおす余裕がなく、
いったん、そばにあった机に三角巾を置き、作業を続けました。

ちりとりが終わったか終わらないか、その瞬間、

頭に痛みが走り、目の前が一瞬まっくらに。
星が見えたような気がします。

漫画やアニメで、頭をぶつけたときに、頭の周りに星が飛んでいる表現がありますが、
まさにあの描写を思い出していました。

本当にちかちかするんだな、って。

何が起きたかわからず、
目が見えるようになったので、
確認すると、担任の先生(30代男性)が目の前に立っていました。

状況が飲み込めてきました。

先生に、頭突きされたんです。

わたしの頭の中ははてなでいっぱい。

先生は明らかに怒っていて
「三角巾。」
と言いました。

周りで見ていた子たちがいっぱいいました。

それが救いです。

誰かが「〇〇(私)ちゃん、三角巾ちゃんとしてたよ?!」
って言ってくれました。

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その辺で、瞬間的に

「三角巾を忘れたと思われ、怒られた。
しかも、頭突きされた」

って、はっきりと状況が分かり、
私は、ショックで涙がばーっと出たと同時に
その場から走って逃げて、トイレに立てこもりました。

女子たちが追いかけてきて、
「先生ひどいね」と慰めてくれ、
おいてきた三角巾も持ってきてくれました。

午後の授業もあったので、
そこはさすがにトイレから出てきました。

担任の男性教諭は、最初は自分が悪いと思っていなかったみたいです。

周りの児童にワーワー言われ、ごめんねって言ってきました。

でもごめんねの理由が「三角巾してたのにしてないって怒ったから」だったんです。

私は、理由を聞かずに怒ったこと、突然頭突きしてきたこと、
すべてを間違いだったと謝ってほしかった。

頭突きなんて40年生きてきても
この時しかされたことないな・・・今思いました。

子供のころは、「これを謝ってほしい」って言えなくて、
ごめんねって言われても、もういいですとも言えず、ただただ困っていました。

先生には、個室にも呼び出されました。
それがまた、私には嫌だった。

こんな閉じられた空間で、嫌いになってしまった先生と、
二人きりになった不安でいっぱいに。

なんだか許してもらえるのが当然と思っている態度で
「ごめんね♪」なんて言われて、
先生の立場を利用していることが、また子供ながらに許せなかった。

「これでもう仲直りね!」って
個室で笑顔で言われたときは、はい、っていうしかないじゃないですか。

向こうしか喋ってないのに。

でも私はどうしても、もう態度を変えることができなかった。

さらには、授業中に「〇〇(私)、ごめんね」ってささやかれました。

授業中に言われたもの嫌でした。
授業中に無駄話するなと怒る立場の人が、
自分の都合では、授業に関係ない話をする。

先生、ずるい、って思いました。

なんかもう、何もかも、こじれまくって。
小学校6年生の最後のころの話で、卒業までそのままになっちゃいました。

卒業した後ばったりあったことがありましたが、
普通に「わ~ひさしぶり!」って声かけられたけど
それも無視してしまいました。
無視してやろうと思ったわけじゃなくて、もう、体が拒否反応で動かない感じ。

私の心の傷はそのくらい深かったです。

でも親に言いませんでした。
今思えば、言ってもよかったと思うんだけど・・・
なんで子供って言わないんでしょうね。

うちの子は、なんかあったら言ってくれる気はします。
今のところは・・・。

話は今に戻ります。

ドラマでは、誠は本当は
消しゴムを床に落としてしまっただけなんです。

見当たらなくて、探していた。

それを、良子が「やる気がないなら立っていなさい」と。

ドラマでもそのことが分かって、
良子は「理由を聞かずに叱ってごめんなさい」って
ちゃんと謝っていました。

いいなあ~。
私は、わかってもらえなかったな。
どうして私が許せないでいたか。

夫と子供は、私のエピソードを聞いて、引いていました。
特に、頭突きのところ。
体罰ですしね、しかも濡れ衣に。

私は子供に
「だから、無視していいってわけじゃないけど、
先生も間違うことがあるから、違うと思ったら
自分の意見をちゃんということも大事」
って話しました。

私の悔しい経験が、子供たちにとっても
何かの時にふと、思い出して、勇気をもたらせたら良いなあと思います。

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