上司と言い合いして、怪我の功名を得た

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私が現在いる課は少しうまくいっていないと、私自身は感じている。

上司や課員のひとりひとりはいい人なのに、個性が強すぎるようで、あまり一体感がない。
(これまで一体感を感じていた部署もそんなにあったわけでもないけど、少なくとも今は、そう)

うまくいっていないことの一つに、資料の整理整頓ができていないことがある。

年末に近づいた頃、大掃除をする機会でもあったので、
増えすぎた資料の一部を破棄するか保存しておくか、
保存しておくなら手元に置くか、データセンターに送るかを判断して欲しい、と
ミーティングで持ちかけた。

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数人の上司は、そうだなあ~と考え顔になった。
あらかじめ、数人の上司とは話をしていたことでもあったので、
「それじゃあ、精査しないとね」
となると思って口火を切ったら、結果は違った。

上司よりももっと上の上司(女性)が、噛み付いてきたのだ。

「判断できない」

と。

そこで、私が調査しておいた、社内規程でわかる範囲で例を出し、1年分あれば充分なものや、
ほかの部署と重複して保管している資料をあげ、破棄したいと申し出たが、
それでも取り寄せるのが面倒だから手元に置きたいと思ったのか真意は不明だが

「どうしてそれを今この時期に判断しないといけないの!!!!!」

と思った以上に強い拒否反応が帰ってきたので、私も少し面食らった。

誤解のないように先に言っておくと、私はこの上の上司が結構好きだった。
好きなんだけど、ちらほら「刹那的なところがある人」だと感じてもいた。
そのため、おおらかに感じていたのだけど、それはまた、身の回りのものについての判断力を鈍らせ、
こうして、整理整頓ができない部署になる要因になっていることが、この会話の最後にはっきりすることになる。

上の上司はいつもにこやかなのに、明らかにイライラしてきている。

資料庫はぎゅうぎゅうにファイルが詰められて許容量オーバーなのは誰から見ても明らかだし、
そこ以外に、各自のデスク上に保管というか置き場所が固定された資料も、
本来は資料庫に場所を確保すべきものだったりする。

だから、私は頼まれていないけど誰かがやるしかないと思い、自ら
「資料庫の整理のことなのですが」と口火を切ることで、
誰もやらないから私がやるよ~と宣言し、
もしかしたら「ありがとう」と言われるかもしれないとは思ったが
ちょっと怒られ始めるとはよもや思いもしなかったので面食らった。

上の上司 「それ、今判断しなきゃいけないの?」

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私 「普段なかなか手がつけられませんし、年末なので」

上司「どうしてこの時期なの?」

私 「身の回りの整理整頓をする節目ですから・・・
   私が異動してきたときは春でしたが、そのときからずっと資料庫はぐちゃぐちゃで整理しなければと思っていたんです。
   やっと資料の見分けがつくようになってきたので、この機会にやりたいです」

上司「この時期にやらなきゃだめなの?」

私 「ほかにいつやるんですか?」

上司「っていうか、この課だけでこの話題をしても仕方ない、ほかの部署がどうしているか足並み揃えないと」

私 「それは総務部に確認してまいりました。○○は1年保管、しかもほかの部署でも管理しているので当課は持ちすぎなんです」

上司「でも使うかも知れないじゃない!それは判断できないわ」

私 「使うときは、その部に問い合わせればもらえますし・・・でもずっと資料庫から出してないですよね」

上司「隣の課は?(連動もしている) うちの課だけ勝手にやっちゃだめじゃない!!ルールを守らないと!」

私 「ルール・・・・ですか。では隣の課に聞いてみます・・・がもうあまり年末まで日がないです」

上司「それにしてもなぜ今のタイミングでこんな話しなくちゃいけないの?」

私 「それはいつもちゃんとミーティングの機会を設けないから、いつ言うかわからないんです」

上司「とにかく!!となりと合わせること」

面倒くさそうに、この話は打ち切られた。
隣の課に聞いてみよう。
それにしても何がいけなかったのかな。
年末で忙しすぎて、片付けしたくないのかな。

なんて考えつつ、うーん、とパソコンの画面に向かって通常業務に入った。

多分、上の上司は整理整頓ができない人なんだ、とだんだん気がついた。
だって、上司の周りのダンボールに入った書類、多すぎる。

出張の多い上司なので、資料が単に多いのだと思っていたけど、
改めてみると、多すぎる。

最悪、同意してくれる上司だけと話し合い、整理をすすめちゃおう、そう思った。
本部に確認して許可をもらっているのだから、間違いはないはず。

そんな作戦を心の中で立てていたら、数人に声をかけられた。

さっき、上の上司と頑張ってやりあっていたね、と。

同僚と、課長の一人、隣の課の方まで声をかけてくれた。

ありがたい。気にしてくれていたのだ。

私は、思うとおりにはならなかったし、がつんと言われた感もあったけど、
上の上司のことがもともと好きだったせいか、あまりへこんでいなかった。

凹んでいなかった分、声をかけられて舞い上がってしまうほど嬉しかった。
マイナスから舞い上がったら平常に戻る(慰められる)のかもしれないけど、
私にはむしろ「嬉しかった出来事」となったのだ!

上の上司に対する不満まで耳に入ってきたが、それはそれで、私の中にデータベースとして取っておくとして、
特にこの件でムカついたり、嫌いになったりせずに済んだ。

私自身も、言い返すというよりは思ったことを淡々と答えていただけだったので、
悔しさとかもなかったしね。

やっぱり個別に話すとみんないい人なんだよなあ~・・・
とも改めて思った。

最後にオチがあって・・・

その後、なぜか上の上司は、
デスクの周りのダンボールからすべての資料を引っ張り出し、
ファイルから紙を外し、捨てまくっていた。

この時期になぜ?

って話しかけにいけば良かった(笑)

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