育休最後にやりたいこととして、映画を一人で見てみた。

映画館で一人で映画を見るのは初めて。
以前は一人で映画なんてもってのほかって感じだったけど、だいぶ鍛えられたし、
一人で何かをする自由が貴重なんだって、子供を二人産んでから感じている。

ルームっていう映画は昨日知った。
本当は思いっきり笑える映画を見ようと思っていた。
「ミラクル・ニール!」を見ようと思ったら、近所ではやってなかった。

急遽、そのスクリーンで上映しているので興味があるものが、このルームだった。

最初の半分くらいは、その“ルーム”での生活が描かれている。
ママは被害者で、加害者を怒らせないように、そのルームで生活している。
命だけは奪われないように、食料その他生活必需品は被害者に「感謝している振り」をしてなんとかもらわないといけない。
そしてそれが日曜日の差し入れ行事になっていて、差し入れと引き換えに毎回、ママは・・・

その毎日の中で生まれたのが息子のジャック。

つまりジャックは被害者ママと加害者のクソ野郎(怒りを持ってこう言わせてもらう)との子供。

外に出られるきっかけをつくったのはジャック。でも犯人の子供でもある。

難しい立場だけど、ジャックに罪はない・・・
ママもそこは葛藤したと思うし、マスコミのインタビューでも自分に言い聞かせるかのように、父親のことを否定していた。
自分が産んだ子は、相手が誰であろうと愛おしい気持ちはなんとなくわかる。
もしこれから相手(父親)のことを嫌いになって離婚したとしても、子供は今の子がいいなあ・・・
でも最初から加害者だとしたら、もっと心は複雑かな・・・

小さな小さな“部屋”が、5歳のジャックにとっては広い世界だった。
お母さんがいるその空間が彼の世界。
幼いから、お母さんに外の世界を説明された時に、この部屋(世界)でいい、と話を拒絶。
お母さんが自分の世界の全て。
お母さんがいる世界がいいんだって、そのやりとりが私には泣けた。

私と子供のこと。
つい怒りがちだけど、この子にとっては私が彼女の世界の大部分を占めているのだなと反省させられた。
私の態度、言葉、体調、肌の温度、息遣い、考え方・・・いろいろを子供は読み取って毎日生きている。
私が守らなくては、この子は行き場所を失うんだ、というか、この子の世界を作っている責任を感じたというか。

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ジョン(お母さん)は、息子ジャックと二度と会えないかもしれないと思いながらも、
外の世界を見せてあげたくて、脱出作戦を企てた。

逃がしたことがバレた後、お母さんがクソ野郎にひどいことされるんじゃないかとハラハラしたよ・・・
意外とあっさりお母さんの居場所が分かって警察凄すぎだけど。

おじいちゃん(お母さんのお父さん)が、ジャックにとった態度はひどかった。
でも、仕方ないのかな・・・苦しいよね、みんな。
お母さんはその後取り乱すけど、加害者は一人に対してじゃなくて、家族全員に対しての加害者になっていたのだと感じた。

最後に、話が戻るけどお母さんはやっぱり子供にとって世界の大部分を占める。
あの小さい部屋の中でお菓子作りをし、歯磨きやお風呂に入り、運動もする。
歌を歌ったりお話をしたり・・・高校生で監禁された彼女がひとりきりでお母さんになって5歳までジャックを育て上げ、あの環境であの世界を作ったこと、驚きだった。
逆に言えば、赤ちゃんが生まれたことで心の支えになっていたのかもな・・・

私だったら・・・あんなことが起きたら・・・考えられない。
あのお母さんはほんとに強いな~・・・

いろいろ考えさせられるけど、見ている時にいろいろ感じる嫌悪感がありすぎて、
あんまり思い出したくない映画かも知れない。

それにしてもあのお母さんとジャックはとっても強かったし、頑張った。
そして、それを演じた女優さんと男の子は演技なんだよね~ 信じられないくらい上手くて引き込まれた。

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