「魂の退社 会社を辞めるということ。」 稲垣えみ子
を読みました。
私にとっては、「会社を辞める」というのは日々気になるキーワードです。
私はこの稲垣さんのように大企業に勤めているわけでもないし、
今の会社で重要なポスト、それどころか管理職にもなっていないけど、
会社に勤めている疑問って誰もが抱くんだなって思った。
こんなにお給料もらっていた人でも。
いや、誰でも抱くじゃなくて「こんなふうに抱く人もいるんだな」と思った、が正しいかな。
退職金をたっぷりもらって、余裕でやめたのかと思ったらそんなこともなく。
退職金の金額はもちろん書かれていませんでしたが、
手放しで喜べるほどじゃないんだろうな、という感じ。
共感出来たところがいくつもあって、
・「会社」に所属していないと日本では「何者か」が証明しづらい
・お金を使って何かを買うことで「私はお金が使えるの!持ってるの!」とアピールしている気になっていた。
・お金をかけなくても、世の中には楽しいことがいっぱいある!
・帰る時間を早くする。
・野菜の直売所に通うようになり、野菜の旬がわかるように。スーパーは便利すぎる。
・現代は電気を使いすぎる。
などなど。
あと、会社にいる苦しみについては、とても詳細に書かれていた。
私は、会社に行くことが嫌だ、いることが嫌だと思ったりはしたけど、
その理由をここまで突き詰めて考えたことがあっただろうか?と反省させられた。
私は転職がとっても多いので・・・
数えてみよう。いくつだろう。
アルバイト以外では、今の会社が7社目。
契約いっぱいで終わったところもあれば、
飽きたところ、嫌になってやめたところなどもある。
あんまり、"会社”に恩を感じていないタイプである。
罰当たりかなあ・・・?
稲垣さんは、会社に育ててもらった、そしてその恩を
改革という形で返したことと、
現状に甘えてこの給料を貰っていてはいけない、
このまま年をとったら・・・ということで退社していて、
私の会社辞めたい病とは大違い(笑)
保険もそうだし、退職金、その後の引越し先、
この方の場合は携帯電話も会社支給、パソコンも自分のを持っていなかったのでその購入・ネットの契約などもしていて、
そのエピソードが、私の感覚とはちょっとずれていた。
退職金、税金に悩むほど貰えないだろうし・・・
でも、お金をかけないで楽しむことを見つけるとか、
目の前のことで幸せを感じることなど、
人生観で勉強になることは多かった。
独身の稲垣さんと現状既婚で家族が居る私の状況も違うけど、
誰だっていつかは一人になるかもしれないので、
お金の価値観を磨き直しておくことは大切だと思った。
もっともっとお金が欲しいとか、
今の給料じゃ不満だから転職するとか・・・そういう次元の話じゃなかった!
でも、人間関係、男女の不平等に対する不満が一部書かれていて、
それは、少し共感できる。
一度読んでみたかったので、読めて満足しました。
私には会社に所属して積み上がっているものがあるんだろうか?
何もないとは言わないけど、これってものが、言えない。
諦めの良さは身に付いたかな・・・ずっと家にいたら
感情の処理の練習はなかなかしにくいもんね。
会社に魂まで浸かったことがないので、ちょっと違ったけど、
頑張った先輩女性のおはなしは、勉強になることはいろいろありました。